近年、テレビゲームやインターネットの発達に伴い、小学生の読書離れが指摘されています。しかし読書は、お子さんの知識や感性を豊かに育んでくれるものです。読書は知識だけではなく、感動や刺激もお子さんに与えてくれます。さらに、自分とは異なる生き方に触れることで、自身の考え方の幅を広げてくれるでしょう。
また、最近は小学校も休校となっているところが多く、家での時間で退屈しているお子さんも多いのではないでしょうか?暇で可哀想だからとついついゲームの時間が多くなってしまいがちかもしれませんが、その時間を読書に変えるだけでグン!と集中力や知識が上がっていきます!
しかし、小学生向けの本は多く、実際にどれが良いのかわからない方も多いのではないでしょうか?
そんな方のために今回は、現役ママでありの小学校の図書役員を務める私が、小学校低学年におすすめの本をピックアップしてみました。また読書の素晴らしさや本選びのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の目次
低学年は読書の幅を広げる最高の機会
学ぶことの楽しさや喜びを覚える低学年の時期は、実は読書の幅を広げるのに最適な時期です。ここでは、読書を習慣にすることで期待できる3つの効果を紹介します。
想像力を豊かにする
読書が漫画やアニメと異なるのは、想像力を必要とすることです。文字と挿絵で組み立てられている本では、視覚的な情報が限られていますよね。そのため各々シーンの情景を、自分で想像しながら読み進めなければなりません。そのため読書をすることで、想像力を豊かにする効果が期待できるのです。
考え方の土台なってくれる
本の中では、我々が普段できないような冒険や体験が描かれています。このような出来事を疑似体験することで、お子さんの世界はグンと広がります。また、本の中でのさまざまな経験は、考え方の土台を形成する力にもなってくれるでしょう。
幅広い視野で物事を見る目を養う
本の中では、さまざまな登場人物の人生が描かれています。また1つの出来事に対する、各々の人物の感情の変化も表現されていますよね。つまり本を読むことで、お子さんは自分とは異なる考え方や生き方に触れることができるのです。それにより、物事を主観ではなく、幅広い視野で見る力を養う効果が期待できます
小学生の本選びのポイント【低学年の場合】
次は実際に低学年の本選びのポイントを紹介します。お子さんに合った本を選ぶ際の参考に役立てて下さい。
読書の楽しさを知ってもらう
お子さんに本に親しんでもらうためには、まず本の楽しさを知ってもらうことが大切です。本の中には、現実世界では体験できない無限の世界が広がっています。とはいえ、いきなり本を好きになるのは難しいもの。まずは本に慣れ親しむことから始めていきましょう。
スタートは短めの童話がおすすめ
低学年のはじめての読書には、まず短めの童話がおすすめです。童話は挿絵が多く、文字の量が少ないため低学年でもスムーズに読み進めることができます。また、お子さんにとって親しみやすい内容も多く、感情移入しやすいというのもポイントです。
大人の手助けは必須
低学年の本選びの際には、大人の手助けが必須です。そのため、ぜひお子さんと一緒に図書館や書店に積極的に赴き、多くの本と触れ合うきっかけを作りましょう。読書を親子で楽しむことは、コミュニケーションの一環にもなります。お子さんと同じ本を一緒に読み、互いに感想を語り合うのもおすすめですよ。
子供の興味を優先する
本を選ぶ際には、必ずお子さんの興味を優先しましょう。もちろん、きっかけは何でも構いません。挿絵がかわいいやタイトルに惹かれるなど、興味をもつ対象は様々でしょう。まずは、お子さん自身の読書への入り口となる本を選ぶことが大切です。
推奨年齢はあくまで目安
絵本などには、各々に推奨年齢が設けられています。しかし、この推奨年齢はあくまでも目安。まずは、お子さんの興味を最優先するのがベストです。また、あまりに文字やページ数が多い本に関しては、保護者が読み聞かせをするなどサポートしてあげましょう。
長く読み継がれる名作はやはりおすすめ
お子さんの本選びに困った際には、長く読み継がれる名作に注目してみましょう。古くから愛される名作には、お子さんを惹きつける何とも言えない魅力があります。また、保護者が幼い頃親しんだ本も多いため、親子で楽しむこともできますよ。
時代に左右されない普遍的なテーマ
名作と読み継がれている本の多くは、普遍的なテーマが描かれています。そのため、時代に左右されることなく、本を楽しむことが可能です。また小学校の教科書に取り上げられている題材も多いため、より授業の理解を深めることもできますよ。
小学生の低学年におすすめの絵本20選
ここからは、小学生の低学年におすすめの本を、ジャンル別に20冊ピックアップしていきます。大人気のシリーズ本から名作絵本、また話題の最新本まで、幅広くラインアップしてみました。さまざまなテーマの本の中から、お子さんの興味の惹くものをセレクトしてくださいね。
小学生の低学年に人気のシリーズ絵本5選
まず初めに紹介するのは、小学生低学年に人気のシリーズ本です。シリーズ本はスリルや冒険を楽しめる本が多く、より読書の楽しさを味わうことができますよ。1年生はもちろん、活字に慣れた2、3年生におすすめの本もセレクトしてみました。
おしりたんていシリーズ
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テレビアニメ化もされている小学生に大人気の絵本です。個性的な主人公おしりたんていが、さまざまな事件をユーモラスに解決していくお話です。また、間違い探しやおしり探しなど、本の各所にお楽しみ要素が満載。読書入門本としておすすめの1冊です。
かいけつゾロリシリーズ
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60冊以上のシリーズが発売され、子どもたちから絶大な人気を誇る大ヒット作品です。いたずら王者を目指すゾロリが、弟子のイシシ、ノシシとさまざまな冒険を繰り広げる本作。さまざまな困難を、特の発明とひらめきで突破していく姿は痛快ですよ。
エルマーのぼうけんシリーズ
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世代を超えて愛される幼年童話のベストセラー作品です。どうぶつ島に捕らわれてしまった「りゅうの子」を助けるため、9歳の男の子がさまざまな困難を乗り越えていく冒険物語。テンポの良いストーリー展開で、本が苦手なお子さんにもおすすめです。
怪談レストランシリーズ
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アニメ化やゲーム化もされている人気の高い小説シリーズです。現代はもちろん古典怪談も豊富で、シリーズを通して幅広い怪談が楽しめます。また怖い話だけではなく、感動する話も収録されていますよ。
ふしぎ駄菓子屋 銭天堂
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映画化も予定されている大人気児童文学です。ふしぎな駄菓子屋である銭天堂を舞台に、女主人の紅子がお客様のさまざまな悩みを解決していきます。駄菓子によって導かれる人々の運命は幸か不幸か…お子さんはもちろん大人も楽しめる作品ですよ。
小学生の低学年におすすめの名作絵本10選
次に紹介するのは、小学校低学年におすすめの名作絵本10選です。時代を超えて読み継がれる名作は、お子さんの心をつかむこと間違いなし。挿絵も多いため、入学したての1年生でも読み進めることができますよ。
たんたのたんけん
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夏のある日の少年の探検を描いた人気の名作です。元気な少年たんたの誕生日に届いたのは、1枚の地図。その地図を手に、好奇心旺盛な少年のワクワク&ドキドキな冒険が始まります。誕生日という特別な日を題材にした読みやすい児童童話です。
ふたりはともだち
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累計発行部数100万部超のロングセラー児童童話です。がまくんとかえるくんの友情を、ゆったりと描いた短編童話集。ふたりのささやかな日常の出来事が、ユーモラスにやさしく描かれていきます。友情の素晴らしさや、思いやりを感じる温かい物語です。
おじさんのかさ
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お気に入りの傘が、大切すぎて使うことができないおじさん。しかし、ある歌をきっかけにおじさんの心に変化が訪れます。傘をめぐるおじさんの心場の変化を、ユーモラスに描いていたこの作品。おじさんの心情の変化を、オノマトペに乗せて楽しむことができますよ。
じごくのそうべえ
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上方落語を題材とした子どもに大人気のロングセラー作品です。網渡り中に落ちてしまった軽業師のそうべえが目を覚ますと、なんとそこは地獄。山伏のふっかい、医者のちくあん、歯科医のしかいと、三途の川を渡りエンマ大王の元へと向かいます。小気味よい関西弁で描かれたユーモラスな地獄の世界は、世代を超えて多くの人から愛されています。
みどりいろのたね
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わかりやすい文章と味のある挿絵に人気が集まる1冊です。小学生のまあちゃんは学校の授業で、畑に種をまくことになりました。しかし、まあちゃんはなんと種と一緒にメロン飴を埋めてしまいます。メロン飴とたね達のやり取りも楽しいユーモラスな作品です。どんなラストになるのか、想像しながら読んでくださいね。
はれときどきぶた
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日本国内外問わず愛される大人気児童文学です。小学校3年生の少年・畠山則安は、母親を驚かすため未来の日記を書くことにします。すると、日記に書いたことがどんどん現実になってしまうのです。やけくそになった彼が、日記に描いた内容とは…。ワクワクする奇想天外のストーリーは、世代を超えて楽しむことができますよ。
いやいやえん
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全国学校図書協議会選定の必読図書にも選ばれているロングセラー絵本です。主人公のしげる君は、わがままな男の子。さまざまなことを嫌がり、いつも両親を困らせています。ある日しげるくんは担任の先生に、好きなことだけができる保育園である「いやいやえん」に通わされることになってしまいます。現実とファンタジーが絶妙に混ざり合ったテンポの良い作品です。
おしいれのぼうけん
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200万部を超える大ベストセラー絵本です。物語の舞台となるのはさくらほいくえん。さくらほいくえんには怖いものが2つあります。それは、押し入れとねずみばあさんです。そんなある日、さとしとあきらはミニカーの取り合いが原因で、押し入れに入れられてしまいます。押し入れの中で彼らが出会ったものは…。スリリングでリアルなストーリーに、子どもたちは夢中になること間違いなし。今もなお多くの支持を受けている大人気作品です。
落語絵本 じゅげむ
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有名な落語の演目である寿限無を題材にした作品です。わが子にめでたい名前をつけたいとお寺に相談に来た夫婦。そこでお尚さんは、夫婦の要望に応えてさまざまな名前を提案します。名前を選びきれない主人がとった行動とは…。読後には、「寿限無、寿限無…」と大合唱したくなる楽しい絵本です。
スーホの白い馬
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第41回日本児童文学学会奨励賞を受賞した不朽の名作です。モンゴルの民族楽器である馬頭琴の由来となった、悲しくも切ない物語。羊飼いの少年スーホと白い馬の美しい友情、また彼らに対する殿様の不条理な行いが胸に刺さります。国際的にも高い評価を受けている絵本です。
小学生の低学年におすすめの人気絵本5選
次は、小学校の低学年におすすめの話題の人気本5選を紹介します。近年話題になっている本は、とてもユニークな題材のものばかり。ハッとさせられるような視点の本も多く、大人も一緒に楽しむことができますよ。
もしものせかい
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大人気作家ヨシタケシンスケさんの魅力を堪能できる1冊です。人生において必ず訪れる別れ。大事なものを失ったとき、心に空いた穴を埋めるにはどうすればよいのか。独特の世界観で、哲学的なストーリーを描いています。
あるかしら書店
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子どもの本総選挙にて2位にランクインした絵本です。お客さんのリクエストに応じた本を出すという、不思議な本屋さんが舞台のこの作品。さまざまな人の夢をかなえてくれる不思議な本の数々に、本の素晴らしさや楽しさを感じることができます。あらゆる年齢の方に、読書の楽しさをやさしく教えてくれる本ですよ。
ざんねんないきもの辞典
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さまざまなメディアで話題になり、150万部突破した大ヒット作品です。地球上に存在するあらゆる生物の「ざんねん」な部分にスポットを当てたこの本。進化の結果「ざんねん」になるしかなかった生き物を、ユーモラスにわかりやすく解説しています。お子さんはもちろん、大人も楽しめる辞典ですよ。
おでんおんせんにいく
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五感を刺激されるとてもヒネリの効いた絵本です。さつまあげ、たまご、ばくだんのおでん親子が、温泉ランドに行くというストーリー。チーズフォンデュの湯やおしるこの湯など、おもしろいお風呂におでん親子たちが浸かります。各々のキャラクターの個性も魅力です。洒落が効いたテンポの良いストーリーで、スムーズに読み進めることができますよ。
100円たんけん
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私たちが生きていく上で欠かせないお金。そんなお金の役割を、わかりやすく描いた本です。コンビニや商店街で、100円でなにが買えるのか。ワンホールのケーキの100円分はどのくらい?お寿司屋さんの100円分は?お子さんが抱く、素朴なお金の疑問に答えてくれる絵本ですよ。
おわりに
小学生のお子さんコミュニティは、家庭や学校、習い事など限られています。一方で、本の中では、自分の知らない世界を無限に体験することが可能です。
また、読書によって知的好奇心を刺激することは、勉強面においてもさまざまな効果が期待できるでしょう。
ぜひ、読書を家庭のコミュニケーションの一環として読書を取り入れて下さいね。