この記事の目次
はじめに
「家にいる時間をもっと心地よくしたい」そんな思いから注目されているのが、北欧風の部屋づくり。シンプルなのにあたたかく、居心地の良さを大切にした空間は、心を落ち着かせ、暮らしにやさしさを与えてくれます。今回は、そんな北欧スタイルの魅力と、手軽に取り入れる方法、おすすめの家具や雑貨をご紹介します。
「北欧スタイル」とは?
インテリアなどでよく耳にしますが、そもそも「北欧スタイル」とはどのようなイメージを指すのでしょうか?まずはそこを解説します。
「北欧スタイル」とは、北ヨーロッパのデンマークやノルウェー、フィンランド、スウェーデン発祥のインテリアスタイルです。 寒さが厳しく冬が長い北欧では、室内で過ごす時間が長いため、シンプルで飽きのこないインテリアスタイルが確立されていきました。イメージとしては、「シンプルで機能的」「自然素材を生かす」「明るくナチュラル」などです。
具体的には、
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- ホワイト×ナチュラルウッドの組み合わせ
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- ミニマルな家具配置
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- 自然モチーフのテキスタイル
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- 間接照明やキャンドルの活用
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- ファブリックで季節感を演出
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- 観葉植物を取り入れる
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- アートポスターや壁掛けでアクセント
などが挙げられます。
それでは次に、北欧インテリアを作る上で押さえておきたいポイントを3つ紹介したいと思います。
北欧インテリアを作るための3つのポイント
配色
北欧インテリアの魅力は、シンプルな中にも温かみが感じられる空間づくり。その心地よさを左右する大きな要素のひとつが「配色」です。色の選び方ひとつで、部屋の雰囲気はぐっと北欧らしくなります。
- 基本は「明るく・柔らかい」ベースカラー
壁、天井、床など部屋全体の7~8割を占めるベースカラーにはナチュラルな色味を使うのが基本です。
例:ホワイト、アイボリー、ライトグレー、ベージュ、ブラウン
- 木材の色も配色の一部として考える
テーブルなどの大型家具は、メインカラーに当たります。お部屋における面積が、ベースカラーに次いで大きいので、木製などの天然の色味にすると落ち着きます。
例:ナチュラルウッド(オーク、バーチなど)は暖色系のベースとして機能する。
- アクセントには「ニュアンスカラー」や「ポップなカラー」
クッションカバーや置物など、小さな範囲で使用するアクセントカラーにはニュアンスカラーなどで色味を入れると、全体が引き締まります。
例:ダスティピンク、マスタードイエロー、ネイビーブルー、チャコールグレー
また、自然からインスピレーションを得たアースカラーもおすすめです。
森・海・土など、自然とつながる落ち着いた色が北欧らしさを演出します。
例:モスグリーン、テラコッタ、くすんだブルー、サンドベージュ
- 季節感を色で取り入れる
北欧インテリアは、小物やファブリックの色を季節ごとに変えるだけで、手軽に気分転換ができるという特徴があります。季節ごとのコーディネートを楽しむことは、生活の中に ささやかな豊かさを取り入れる「ヒュッゲ(Hygge)」的な価値観にも通じています。
春夏:ミントグリーン、ライトブルー、リネンホワイト
秋冬:**バーガンディ、フォレストグリーン、ウォームグレー
大きく変えず、クッションカバーやブランケットなどで“入れ替えるだけ”がポイント。
素材
北欧インテリアの魅力は、見た目の美しさだけでなく、肌ざわりや質感にもこだわった“素材選び”にあります。自然と調和するようなやさしい素材を選ぶことで、毎日の暮らしにぬくもりと落ち着きをもたらします。
- 自然素材が基本
人工的な素材よりも、自然の風合いを感じられる素材で、心地よさと温かみを演出します。
木材:オーク、バーチ、アッシュなど、明るくやわらかい色味の木を使うのが定番。無垢材や木目を活かした仕上げが好まれる。
ファブリック:ウール、コットン、リネンなどの天然素材。ざっくりとした織りの質感があるとより北欧らしい。
- 「温もり」と「質感」を感じる仕上げを選ぶ
ツルツル・ピカピカの素材よりも、マットで少しざらついたような手触りや風合いのある素材が◎。
例:リネンカーテン、フェルトのクッションカバー、マットな陶器の花瓶など。
- 素材のミックスで奥行きをつくる
北欧スタイルでは、1種類の素材に偏らず、木・布・革・陶器・金属などをバランスよく組み合わせるのもポイントです。
例:木製のダイニングテーブルにリネンのテーブルランナー、陶器の花器、アイアンの照明などの組み合わせ。
- 季節感のある素材を使い分ける
素材で季節感を出すのは北欧の暮らしの工夫の一つ。
春夏:さらっとしたリネンやコットン素材のラグ・クッションなどで涼しげに。
秋冬:**ウール、フェルト、編み目のあるブランケットなどで温かさをプラス。
- エシカル・サステナブルな素材にも注目
北欧では環境意識の高いライフスタイルが一般的で、長く使える素材や再生可能な素材を選ぶ傾向があります。
例:FSC認証の木材、オーガニックコットン、リサイクル素材のラグなど。
デザイン
北欧インテリアの魅力は、シンプルでありながら、どこか温かく、心がほっとするようなデザインにあります。派手な装飾に頼らず、素材の美しさや機能性を大切にした空間づくりが特徴です。
- シンプルで無駄のない美しさ(ミニマルデザイン)
北欧デザインは、装飾を最小限に抑えた「引き算の美学」。形も直線や緩やかなカーブを使ったすっきりとしたシルエットが基本です。
例: 脚の細いシンプルな椅子やソファ、ローテーブルやシンプルなベッドフレーム、スタンドライトや壁付けライトなどの間接照明
- 機能性とデザイン性の両立
見た目だけでなく、使いやすさ・快適さを重視した設計。住む人の暮らしに寄り添う“生活道具”としての家具が特徴です。
例:収納付きベンチ、調整可能な照明、動線に配慮した家具配置など。
- 自然素材を活かしたナチュラルな佇まい
北欧スタイルでは、木材(オーク、バーチなど)、リネン、ウール、革などの自然素材がよく使われます。デザインも、素材の風合いを活かすように加工は控えめで、素朴さと温かみが感じられるのが魅力です。
例:オークやバーチのフローリング、テーブル、チェア、リネンやコットンのカーテン・クッションカバー、陶器や素焼きの花瓶・器など。
- 「光」との調和を考えた設計
北欧は冬が長く暗いため、自然光を最大限に取り入れる工夫がデザインに反映されています。
例:窓を遮らないカーテン、白を基調とした明るい壁、間接照明の活用など。
- 長く使えるタイムレスなデザイン
一過性のトレンドではなく、年月を経ても色褪せない普遍的な美しさが重視されます。
「良いものを長く使う」という北欧の価値観に基づき、家具や照明も耐久性・修理可能性を含めて選ばれます。
例:アルネ・ヤコブセン《セブンチェア》《アントチェア》、ルイス・ポールセン《PH5》ペンダントライト、マリメッコのテキスタイルなど。
それではここからは、北欧インテリアにおすすめのアイテムを、家具、ファブリック、雑貨に絞ってそれぞれ3つずつご紹介したいと思います。
北欧インテリアにおすすめの家具3選
CARL HANSEN & SON /カール・ハンセン&サン CH338
「CH338」は、1962年にハンス・J・ウェグナーによってデザインされた伸長式ダイニングテーブルで、美しい曲線と無垢材の質感が特徴です。素材には、深みのある赤色と美しい木目が魅力のサペリマホガニーを使用し、オイル仕上げで木の風合いを活かしています。FSC認証を受けた持続可能な木材を使用し、環境に配慮した家具づくりを実践。高い機能性と優雅さを兼ね備えたこのテーブルは、CARL HANSEN & SONによるデンマーク製です。サイズはW2000×D1150×H720mmで、用途に応じて拡張が可能です。
カリモク60 Kチェア2シーター
「Kチェア2シーター」は、1962年にカリモク初の自社製品として開発された第1号の椅子です。当時のデザインを保ちながら内部構造を時代に合わせて改良し、今もなお愛され続けています。幅133cmのコンパクト設計ながら、大人2人がゆったり座れるサイズ感が魅力です。組み立て式で消耗パーツの交換も可能なため、長く使える設計です。フレームにはラバートリー材とブナ材を使用し、カラーは落ち着きのあるウォールナット、張地はレトロ感あるモケットグリーンです。サイズはW1330×D700×H700×SH370mmです。
アルヴァ・アアルト No.45 アームチェア/ラタン
「No.45」は、フィンランドの巨匠アルヴァ・アアルトがデザインしたartek社製のラタン張りアームチェアです。プライウッドのフレームとハンドクラフトのラタンが織りなす陰影は美しく、身体に優しくフィットする座り心地が魅力。ラタンは丈夫で張替えも可能なため、長く愛用できます。使い込むほどに飴色へと変化し、バーチ材との自然なコントラストが味わいを深めます。サイズはW610×D660×H780×SH410mm。
北欧インテリアにおすすめのファブリック3選
Fine Little Day/ファインリトルデイ クッションカバー/GRAN
Fine Little Dayの人気柄“GRAN”をあしらったクッションカバーは、北欧インテリアに映える存在感で、SNSでも大人気のアイテムです。定番のブラック、上品なグレー、落ち着いたサンドの3色展開で、並べて使っても可愛さ抜群。サイズは48cm角で、50cmのクッションがぴったり入ります。素材はGOTS認証のオーガニックコットン100%で、OEKO-TEX認証も取得。肌ざわりも良く、環境にも人にも優しいこだわりの一品です。
marimekko/マリメッコ 撥水生地 テーブルクロス/ PIENI UNIKKO
marimekkoの代表的な柄UNIKKOの中柄版「PIENI UNIKKO」は、1964年にMaija Isolaがデザインしたケシの花モチーフのファブリックです。50年以上経った今も色あせず、明るく心を弾ませるデザインが魅力。撥水加工(アクリルコーティング)が施されており、テーブルクロスとしても便利で、お手入れも簡単。花のサイズは20〜30cmほどで、インテリアに程よい存在感を与えます。どんな空間にもなじむ万能なアイテムです。
Suminoe/スミノエ カサネ
スミノエのカーテン「カサネ」は、優雅な曲線で描かれたガーベラ柄がエレガントで、単色のライトブルーがシックかつ爽やかな印象を与えます。遮光2級でほどよい光を遮りつつ、形状記憶加工により美しいドレープをキープ。サイズは100×178cmの1枚入りで、1.5倍ヒダ、アジャスターフック・タッセル付き、ウォッシャブル仕様と機能面も充実。上品なインテリアにぴったりの一枚です。
北欧インテリアにおすすめの雑貨3選
kauniste ファブリックパネル/Sokeri 30×30cm
「Sokeri(ソケリ)」は粉砂糖から着想を得た柔らかな雰囲気のデザインで、麻の風合いと手描きのラインが抜け感を演出しています。この柄を使った30×30cmのファブリックパネルは、小さなスペースに飾りやすく、玄関や洗面所、ダイニングなどのアクセントにぴったりです。北欧ブランドKaunisteによるもので、伝統的なシルクスクリーン技法と斬新なデザインが特徴。プレゼントにもおすすめのアイテムです。
ARCHITECTMADE BIRD/バード 木製オブジェ
北欧で親しまれる「BIRD/バード」は、1959年に建築家クリスチャン・ヴェデルがデザインした木製オブジェの復刻版です。胴体と頭部が分かれており、頭を胴体の凹みに置いて自由に動かせるため、多彩な表情が楽しめます。胴体の向きを変えることで体型が変わり、逆三角形が「男の子」、三角形が「女の子」を表現しているそうです。デンマークでは家族が増えるたびにバードを増やし、世代を超えて受け継がれる伝統があります。サイズはS・L・ふっくらとしたchubbyの3種類で、素材はオーク材です。
Cooee Design/クーイーデザイン Ball Vase フラワーベース
COOEE Designはスカンジナビア全土で人気のインテリアブランドで、かわいい丸いボール型のフラワーベース「Ball Vase」が代表作です。リビングコレクションの初期製品で、長年愛され続けています。マットでシルキーな質感に加え、少し弾力のある手触りが特徴。すべてハンドメイドでペイントされており、一つひとつ味わい深い表情を持ちます。サイズは手のひらサイズの「8cm」、万能な「10cm」、存在感のある「20cm」の3種類です。
いかかでしたか?
北欧インテリアは、シンプルで洗練されたデザインと、自然素材の温もりが調和したスタイルが魅力です。暮らしに寄り添う実用性と美しさを兼ね備え、長く愛される家具や雑貨が多く揃います。明るく開放的な空間づくりや、機能的でありながら遊び心のあるデザインも特徴です。自然光を大切にしたレイアウトや、心地よいテキスタイルの取り入れ方など、日々の暮らしに癒しと豊かさをもたらします。北欧の暮らし方から学ぶことで、自分らしい空間をつくるヒントが見つかるはずです。
いきなり全てを北欧風に...というのはハードルが高いと感じる方は、まずは小物や雑貨から取り入れてみるのはいかがでしょう?この記事で皆様の暮らしが少しでも快適になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!